今日から再出発
しばらくの間、ブログの更新をおこなっていませんでしたが、これからまた、書こうと思います。
『あいさつ』にも書きましたが、このブログ『まめぶろ(mame-buro)』は、海外の方に、もっと日本を知ってもらいたく、外国人の方を意識して書く内容が多いので、日本人の方が読むと、知っている内容も多く、物足りないかも知れません(笑)
名前の歴史
数日前、テレビで僕の大好きなラーメンの特集をしていたので、今日は現代日本の国民食と言っても過言ではない『ラーメン』についてです。
そこで、まずは『ラーメン』という名前の由来について書きたいと思います。ラーメンは言うまでもなく中国伝来の食べ物です。
日本のラーメンの原型と思われる記録が、室町時代(1488年)に、僧侶が残した『蔭涼軒(inryouken)目録』に残っています。
そこから時代は進み、中国から渡って来た『麺料理』が、一般的になったのは明治時代※で、横浜などに中華料理屋が建つようになてからと言われています。
※明治時代は西暦1868年から1912年7月末
1903年の『横浜繁昌記』には、中国から渡って来た麺として『南京そば』などと呼ばれ、記録が残っています。しかし、この時点では、まだ『ラーメン』とは呼ばれていませんでした。
更に時間は進み、大正10年(1921年)、北海道大学の前に『竹家(takeya)食堂』という店が創業し、そこには経営者の奥さんの『大久タツ(oohisa-tatu)』という『女将さん』が働いていました。まさに、この女将さんが『ラーメン』という名前を作りました。
その食堂には多くの日本人や、大学の日本人学生、あるいは中国人留学生が多く立ち寄り『細い牛肉と、筍の炒めた物』が乗った『青椒肉絲(チンジャオロース)』から名を取った、人気料理『肉絲麺(rosu-men)』を食べに来ていました。
しかし、当時の日本人は中国人を軽んじる傾向があり『ロースー麺』とは呼ばず、中国から渡って来た麺なので『志那そば』と、侮蔑する言い方で、注文をする日本人も少なくありませんでした。その風潮を心苦しく思った女将さんは、新しい呼び方を、日々悩み考えました。
そんなある日『ロースー麺』が出来上がった時に、厨房から、いつものように『好了(ハオラー)!』と、声が聞こえて来ました。好了(hao-ra)とは『料理ができたよ!』と言う合図の中国語の事です。
この時、この言葉の響きは良いかも知れないと思った女将さんは『ハオラー(haora)』と『ロースーメン(rosu-men)』の言葉を合わせ『ラーメン』という呼び名を思いつき、店で『ロースー麺』を『ラーメン』と呼ぶようにしました。
その名前は日本人に覚え易すく、以後店に来る客は皆『ラーメン』と言うようになり、名前が決定しました。
その後、時代は食糧難となり『竹家食堂』は食材の調達が難しくなり、昭和18年(1943年)に閉店をしました。
しかし『竹家食堂』の閉店後、週刊誌で『ラーメン』が取り上げられ、それをきっかけに『ラーメン』という言葉が世間に広まりました。
更に、昭和33年(1958年)に、日清食品から『インスタントラーメン』が発売され、そこからテレビコマーシャルで『ラーメン』という言葉が、人気と共に全国に一気に広まり、現在では全世界共通の言葉までになりました。
また、ラーメンの名前には諸説あります。他に、中国語で『引く・引っ張る』を意味する『拉(ra)』という字を使って『拉麺(ラーメン)』と呼ぶ事もあります。
麺・スープ・具
今回のブログの内容は、ラーメンの種類や製造法などを深く語るのではなく、実際に食べに行く時に意識する内容に注視し、日本の一般的なラーメンの全体像が見えるように書いてみたいと思います。
外国人の方は、日本に来た時や、あるいは日本以外の国でも、日本のラーメンを食べ、大好きになった方もいらっしゃると思います。
しかし、日本のラーメンの種類や店も多く『ラーメンには、どんな種類があるのか?』あるいは『どんなラーメンが美味しいのか?』と、考える事もあると思います。
日本には各地域の個性豊かな『ご当地ラーメン』があり、有名なものでも『旭川ラーメン』・『喜多方ラーメン』・『荻窪ラーメン』・『尾道ラーメン』・『博多ラーメン』・『沖縄そば』など、まだまだ多くあり、それぞれ地域の特色のあるラーメンが、全国各地にあります。また、横浜を発祥とした『家系ラーメン』の『横浜ラーメン』や、系列・グループの多い『大勝軒(taisyouken)系ラーメン』なども有名です。
ラーメンの中身は、大きく分けて『麺』と『スープ』と『具』があります。
麺を1つ題材にしても『小麦粉』の種類や『かんすい※』が麺に使われる事になった起源などから語ると、かなり広範囲な話題になるので、ここでは、あまり深く掘り下げないで、一般的な話だけを取り上げたいと思います(笑)
※鹹水(kan-sui)・中華麺の製造時などに使われるアルカリ塩水溶液
ちなみに『うどん』と『ラーメン』の麺は『小麦粉』を使いますが、出来上がった麺は、触感も色も違います。それは製造過程で、加えた『水分』が違うからなのです。
『うどん』は、小麦粉を使いますが、いくつか種類のある小麦粉の中でも『中力粉』を使います。そして、うどんは作る時に『小麦粉』と『塩』と『水』を混ぜ合わせ作ります。
それに対し、ラーメンの麺の『中華麺』を作る時、小麦粉と塩は使いますが、混ぜる水分は、水ではなく『かんすい(kan-sui)』を使います。中華麺が、うどんより黄色く見えるのは、この『かんすい』を使用している為なのです。
麺
ラーメン屋で注文をする時、店にもよりますが『麺の太さ』を選ばせてもらえる場合があります。
種類は『太麺』・『中麺(普通)』・『細麺』などがあり、更に『中太麺』・『中細麺』などもあります。他にも横に広い『きし麺タイプ』や、他と見た目が少し違う『ちぢれ麺(chizire-men)』などもありますが、麺の太さや形状で、食べる時、口に運ばれてくる『スープの量』が変わります。
太麺やちぢれ麺などでラーメンを食べると、麺と一緒にスープの量も多く口に運ばれ、この事を日本人は『麺にスープが、よく絡む』と言う表現をよく使います。
また、麺の太さで。食べ応えは変わるので、同じラーメンでも、麺の好みは、人それぞれ大きく変わります。
麺の太さではありませんが、店によっては、追加料金を払うと『大盛(oomori)』にしてもらえたり『替え玉(kaedama)』と言って、麺だけを『追加注文』できる店もあります。
とても稀に、この『大盛』や『替え玉1回』を無料でサービスしてくれる店もあるので、そんな店に行けた時は、とても幸運だと思います(笑)
また、麺の『茹で方』を指定できる店もあります。茹で方は『硬め』・『普通』・『柔らかめ』が、一般的にあり、茹で時間で調節をします。
しかし、全てのラーメン屋で、麺の茹で方を指定できる訳ではないので、麺の硬さを変えたい場合は、行く前に確認しておくか、店で店員に確認をして下さい。
ちなみに『カップラーメン』などには『ノンフライ麺』と、書かれた物があります。カップラーメンの麺は『乾麺』を使用している物が多く、文字通り『乾いた麺』を使っています。
麺は、作ったばかりの時、水分が多く、長期保存には適さないので、保存しやすいように、麺から水分を取り除き乾燥させる為、油の中に入れ、水分を蒸発せて作る『フライ麺』があります。
その製造法と分けて表現する為に、麺を乾燥させる時に、油を使わず、室内の湿度や温度管理や熱風などによって麺を乾燥させる『ノンフライ麺』と表記しているラーメンがあります。これは、油で揚げない分、フライ麺に比べ、油分やカロリーは低くなります。
カップラーメンの麺は他に『生麺』があります。一般的に値段は『生麺』を使用した物が割高で、次に『ノンフライ麺』と『フライ麺』の乾麺が同じくらいの値段で売っている事が多いです。
味は、一般的に美味しい麺の順番は『生麺』>『ノンフライ麺』>『フライ麺』の順番になると思います。しかし、好みもあるので、必ずしも、この順番だとは限りません。
日本のカップラーメンには、美味しい物が、とても多く、いつか機会があれば、カップラーメンについても書きたいと思います(笑)
スープ
まず、スープを分類すると、豚骨などを煮込んでスープを作る、白く濁った『白湯(paitan)系』と、野菜や鶏や海産物などから作るスープで、澄んでいる『清湯(chintan)系』の分類になります。
スープも、細かく分類すれば、とても多くなると思いますが『醤油』・『塩』・『味噌』・『豚骨』・『魚介系』などが、一般的な、大別の分類になると思います。
また、これらの味を組み合わせた『味噌・豚骨スープ』や『魚介系・豚骨スープ』なども人気の味です。
店にもよりますが『味の濃さ』を指定できる店もあります。変えられる濃度は『薄め(usume)』・『普通』・『濃いめ(koime)』などが一般的です。
しかし、味の濃さを変えられない店も多いと思うので、スープの濃さを変えたい時は、店員に確認をして下さい。
先ほど、5種類の味を書きましたが、味は1番好みが分かれる部分だと思いますが、どの味も、とても美味しいスープだと思います。
好みや個人差がありますが、スープに『胡椒(kosyou)』や『七味唐辛子(shitimi-tougarashi)』をかける時、ラーメンが来て、直ぐに振りかけてしまうのではなく、まず元の味を味わってから、後から調味料で、味を変えて食べる事をお勧めします。
やはり最初は、元の味を知ってから、さらに自分好みの味で調味料を使い、自分好みの味に調えながら、食べて頂けたら良いと思います。
ちなみに、日本ではテーブルに置いてある、箸や調味料や水は、一般的に無料で利用できます。料金など不安な場合は店員に確認してみて下さい。無料だからといって、持ち帰ったり、必要以上に使わないで下さいね(笑)
また、本やインターネットで調べると、多くの美味しい店が、紹介されていると思うので、是非ご自身で、自分好みの美味しい店を探してみて下さい。
具
具に関しては、店によって多種多様で、乗せる物は、とても多くあるので、一般的な具を紹介するだけでも、かなり多くなると思います。
その中でも『具』を語ると、まず思い出されるのが『チャーシュー』・『豚トロ(ton-toro)』・『青ネギ』・『白ネギ』『メンマ』・『海苔』・『茹で玉子』・『味付け玉子(味玉・煮玉)』などが人気です。
上で紹介した具は、最初に乗っている物と同じ具を、好みでトッピングとして追加注文する事もある程の人気の具です。
トッピングとして、他にも『コーン』・『バター』『わかめ』・『もやし』・『高菜』・『にんにく』なども人気です。
これらの具の追加注文やトッピングは、追加注文をできる店と、注文できない店もあるるかも知れないので、食べたい時は店員に確認して下さい。
先ほど『茹でた卵』として『茹で玉子』と『味付け玉子』を紹介しました。これは、普通に茹でた玉子と、醤油などで味を付けた玉子の違いですが、日本には他に有名なもので『温泉玉子(onsen-tamago)』があります。
ラーメン屋に『温泉玉子』を置いてある店は、少ないですが、一般的な店では『茹で玉子』と『半熟玉子』がありますので、少し違いに触れてみたいと思います。
この2種類には、明確な違いがあります。それは『卵』の『卵白(白身)』と『黄身』の固まる温度が違う事を利用した調理法でできた玉子だという事です。
『卵』を茹でると、殻の中の、外側にある『卵白』が温まり、固まり始めます。この時お湯の温度が55度程から固まり始め、75度~80度程で卵白は完全に固まります。
それに対し『黄身』は、65度~70度程で固まります。この温度を概ね20分程度保ち続けると、卵白と黄身が程よい硬さになります。
この、卵の中身の『黄身』と『卵白』の固まる温度の違いを利用して作られるのが『半熟玉子』なのです。
この事から『半熟玉子』と『温泉玉子』の調理法に違いはなく、お湯の温度を『卵白』と『黄身』の固まり切らない65度~70度で一定に調整して作ります。この時『普通のお湯』と『温泉』で作るものを呼び分け『あの』美味しい『温泉玉子』は作られているのです。
※神奈川県箱根の『大涌谷』には真っ黒な温泉玉子の『黒たまご』もあります。
ここで、これまでに出て来た『たまご』を整理しておきます。
茹で玉子:普通のお湯で温め、卵白と黄身が固まったもの。
味付け玉子:味玉(azi-tama)・煮卵(ni-tama)は、ここでは同じものとして分類。
半熟玉子:お湯の温度を一定にし、卵白は固まり、黄身は柔らかい状態のもの。
温泉玉子:作り方は半熟卵と同じだが、温泉を利用したもの。
また『卵』と『玉子』の表記には諸説ありますが、ここでは統一して使っています。
(つけ麺・dip noodles)
つけ麺
ラーメンの種類として、最後に書き残しておきたいラーメンがあります。それは『つけ麺(tuke-men)※』です。※dip noodles
ラーメンは、本来『スープの中に麺が入っています』が『つけ麺』は『スープ』と『麺』が、別々に運ばれてきます。
上にある写真が『つけ麺』です(写真は豚骨スープ)。『豚骨系』や『魚介系』や『鴨つけ麺』などが人気なので、もし機会があれば、ぜひ食べてみて下さい。
食べ方色々
日本のラーメン屋で、一般的な『セット』や、調味料の使い方についても書いておきたいと思います。
まず、ラーメンを頼んだ時に『トッピング』とは別に、追加注文で日本人がよく頼む物に『半ライス(han-raisu)』や『半チャーハン(han-tyaahan)』などがあります。これは、その名の通り、通常の半分のご飯や、半分のチャーハンです。他にも日本人は『餃子』も追加注文をする事も多いいです(笑)
日本のラーメン屋のテーブルの上には『割り箸』や『塩』・『胡椒』・『醤油』・『ラー油』・『お酢』・『七味唐辛子』などが置いてある事が一般的です。これらの割り箸や調味料、あるいは水を置いてある店も多いですが、常識の範囲内で利用する分には無料の店が殆どです。
調味料の一般的な使い方は、塩・胡椒・七味唐辛子はラーメンなどに味を足したい時に使います。醤油やラー油は、餃子を食べる時に使い、お酢は好みで利用します。
お勧めの食べ方は『味噌ラーメン』に『バター』をトッピングすると格段に味が良くなり、とても人気があります。一般的なラーメンに『胡椒』や『七味唐辛子』は、辛くなりますが、少し追加をすると、風味も増し美味しいと思います。他に、先ほど書いた『半ライス』や『餃子』などとラーメンを一緒に食べると、さらに食欲が増します。
ああ、こんな事を書いていると、今すぐにでもラーメンを食べたくなってしまいます(笑)
参考
ラーメン屋を探す時の目安になればと思い、下記を残したいと思います。
スープ | 醤油 | 塩 | 味噌 | 豚骨 | 魚介系 |
スープ・濃さ | 薄め | 普通 | 濃いめ | ||
麺 | 細麺 | 普通 | 太麺 | ||
麺・茹で加減 (硬さ) | 柔らかめ | 普通 | 硬め |
スープは、元ある味になりますが、スープの濃さや、麺の太さ・茹で加減など、変更できない店も多いので、希望する時は店員に確認をして下さい。
少し変わったラーメンで『ワンタン(wan-tan)麺』があります。他にない舌触りで、モチモチ感が特徴的な『ワンタン』が入っています。とても美味しいので、もし食べる機会があれば、ぜひ食べてみて下さい。
また、麺やスープが熱く食べ辛い時などに『小さなお椀(chiisana-owan)』や、スープを飲むための『レンゲ(renge)※』などは、店員に言えば、持って来てもらます。
※1番上にあるラーメンの写真の水色のスプーンをレンゲ(renge)と呼びます。
ちなみに日本でラーメンを注文する時は、2種類の注文方法が、一般的にあります。
1つは、店の入口の外や、店内に入ってすぐの場所に『券売機』がある場合があります。その時は、その券売機でラーメンやトッピングなどを選び、現金を投入し、支払います。
もう1つは、店員に席に案内された後、座ってから、店員に注文をし、食べ終えてから、レジで支払いをする方法です。
しかし日本では、キャッシュレス化が遅れている為、支払いは『現金支払いのみ』の場所も、まだまだ多いので、現金を用意しておく必要があります。
チェーン店
ここでは、いくつか日本のラーメン屋を紹介したいと思います。その中でも、日本の多くの地域で食べられるチェーン店で、ホームページを外国語で見れる店を選びました。(店名の右は読み方です)
一風堂 (ippuu-dou)
餃子の王将 (gyouza-no-ousyou)
幸楽苑 (kouraku-en)
神座 (kamukura)
山頭火 (santouka)
日高屋 (hidaka-ya)
リンガーハット (ringaa-hatto) ※PC版に外国語あり
らあめん花月嵐 (raamen-kagetu-arashi)
ここで紹介した以外にも、美味しいラーメン屋は、とても多くありますので、日本の美味しいラーメン屋で、自分が1番美味しいと思う店を是非見つけけて下さい(笑)